
1991年。転校してきた自分に、地域で流行っているらしい長方形の厚紙で出来た“メンコ”なるものをなりたての友人達が見せてくれた。
そこには、大好きなSDガンダムや、詳しくは分からないドラゴンボールZのキャラが描かれていて、どうも相手の手札をひっくり返せばそれを入手出来、平和的に奪い合えるらしい。(キラは除外)
1枚も持ってなかった自分は友人らから1枚ずつもらい、手数を増やしたり減らしたりしていた。
その中でもボンボンオリジナルZガンダムは初めて見るものの中でも衝撃的だった。
大人になり、今一度その思い出深いSDガンダムのメンコに向き合おうと思う。
■SDガンダム角面子について
SDガンダム以外にも色々な角メンコを出しているアマダから発売。
基本は1袋20円で2枚入っていた様子。
アマダ特有の、最新人気機体が含まれないこともある&主役を差し置いていわゆるザコがキラ化といった特殊なラインナップとナンバリングが無いことが収集を困難にさせる。
今回、仮説としながらも実態解明を進めていきたい。
ただし、ここからは確定情報ではないので仮説として見て貰いたい。
■初期ラインナップ

おそらく80年中期発売。キャラ名が英語表記となっている。少なくとも40種類以上。
Z−MSVで新たに設定された機体が含まれないことから85−87年の間に発売されたと予想。
興味が出なかったので今回の研究対象外。
後述の中・後期に比べて発売時期が短かったのか、やや入手が大変。
1stガンダムメンコや聖闘士星矢メンコを集めていた人の保持率が高い。
■中・後期ラインナップ
キャラクター名にカタカナが使われている。
前期に比べて枚数が多く、コミカルな物が多い。
逆シャアや武者MKUがあることからおそらく88年以降発売。
摩亜屈となっていないことや武者初期メンツということ、0080がないことから89年までの間に発売開始。
現在の流通量も前期に比べて多く、入手しやすい。
■中・後期92枚説

キラカードダスのようなプリズム。武者精太や摩亜屈がまだ武者Z、武者ガンダムMK-Uになっているところに時代を感じる。
それにしてもチョイスがダーツで決めたのかというくらい適当で、ザクUのG型やハイザックの連邦仕様などが選ばれている。
SDは敵役が多いティターンズMK-Uもコミカルに描かれている。

青の部隊アイザックの後ろの二体がかわいい。
文字や吹き出しのないアッシマーがシュール。中後期にはおそらくMS形態は存在しない。
下に機体のスペックが書かれたものが存在する。

セリフはメンコオリジナルというわけではなく、元々絵柄にセットになっているの。
キュベレイや作業用ザクなどは近年、がんばれ!SDガンダムで立体化している。

どういう選抜か、黒い三連星用ザクは同じ絵柄でデザイン違いが存在。ドズルザクも後の画像で2枚目が登場。
湿地用ザクはSDガンダムから入った人はリアルの迷彩が溶けてないことに違和感を感じるほどなじみ深い。

Zガンダムはこの中期以降のラインナップではいよいよ顔を出すことは無かった。
ブチメカ戦隊もかなりの数が選出されている。

狂四朗Z(ボンボンオリジナルZガンダム)はこのSD角メンコを研究しようと思った発端。
当時から大好きだった。後にガンダム野郎でキラーマスターの元ネタとなる。

当時最新の武者頑駄無はなぜかノーマルカード扱い。この辺りの加減が実にアマダらしい。
そしてSFS枠と戦艦枠から何故これを選んだという面々が。
そのおかげで、メガライダーなんかはこのメンコで存在を知った人もいるはず。

G-3は絵柄違いで2パターン。
ノーマルは80枚。キラ12枚。(もしここにないものがあれば知らせていただければ幸いです)
なぜ中・後期に分けるかは後述するとして、数字の根拠は、どう探しても92枚以外見つからないからである。
厄介なことにナンバリングがされていないSDガンダム角メンコにおいては、自分の所有しているものの他に、他の人の手持ちを確認し、照らし合わせて可能性を高めるほかない。
そこで数年分のヤフオクの情報などから他のオーナーのものと照らし合わせていくと、この92枚というところに辿り着く。
未知の1枚がある可能性も否定できないが、別途集めていたアマダのカードから見ても、極悪アソートは存在しないと仮定。
キラは割と所有者が少ないため、ややデータとしては乏しい物の、この12枚以外は確認出来ていない。
ラインナップに当時最新鋭のνガンダムが含まれていないことが懸念材料だが、先述の通りアマダチョイスなので存在しなさそう。
■中・後期とした理由
現在確認しているだけで3種類の箱を確認している。
1つは88年に発売された角面子セット。
30枚入りでセット販売された物で、箱から200円で売られていたことが分かる。
ここにはキラカードになる面々が表面上部に描かれている。
裏面はオリジナルメンコの提案と、初後期合わせたような図案。
今思い出せばこれをセロテープで四方をベッタベタに貼り付けたメンコや、キラカードをはさみでカットして貼り付けたメンコを持っていた友人もいた。「いらねー!」なんて言いながら貰って、負けても良いように先鋒として出していた記憶。
ローカルメンコブームも末期になると、5枚ほどセロテープで重ねて貼り付けた、いわゆるチート角面子が登場していた。複数人でそれをひっくり返そうとする様は、今のソシャゲでいうところのレイドボスである。
話を戻してこちらが大箱。
こちらにもキラになる面々、特に武者精太が描かれているのが特徴。
最新版とあり、キラ入りの特賞(キラ2枚+ノーマル2枚)、1等(キラ1枚+ノーマル3枚)
が当たる。よって、こちらが最後期の物だとする。
もう1つは狂四朗Zが大きく描かれた中サイズの箱。
ここには当時最新鋭の逆シャアからヤクト・ドーガが描かれているが、武者系やキラのメンツは描かれていない。
よって、こちらが中期の箱と思われる。
中・後期に分かれている根拠の一つとして、上記の他にオークションでまとめて出品している前オーナーによっては、複数枚ダブっているにもかかわらず一枚も入っていない物があることが多い。
その偏りが顕著なのが、グフ、ガンキャノン、ガンダムなど機体データの数値が書かれた24枚。
逆に前オーナーによってはその24枚中何枚かが被ってることも多い。

そして、どの大量出品者も必ずと言って良いほど入っているヤクトドーガ、アイザック、ボンボンオリジナルZ等がある。
アソートの偏りの可能性も考えられるが、もう1つ。キラは全12種というところ。
もし、キラが後期だけに入っていて、中期と後期に分かれている。とすれば12種の代わりに中期から12枚、もしくはその倍数が減っていても不思議では無い。
そしてさきほどあげた機体データが書かれた偏りのあるのが24枚。
この24枚と差し替えられる形で、後期ではキラ12枚+どれか12枚が追加されたのでは無いかと予想する。
この説が正しければ、裏面に1等、特賞のスタンプが押された中期、前期ラインナップは存在しないはず。
■入手難度
コレクターが少ないため全体的に安価で入手しやすいが、キラだけは流通量が少ないので難易度高め。
それでも安価。
■裏面と印刷あれこれ

裏面はキャラによって固定、しかし当時から遊び方は不明。
キラはこの裏面に印字された特賞か1等と引き換えで貰うことができる。
バッテンは引き換えた徴としてお店のおっちゃんおばちゃんが記したのでは無いだろうか。
印刷やカットは今の技術と比べるのも酷だが割とアバウトで、白い余白は安定せず、アマダマークなどもホワイトが若干ずれていることがある。
カットもほぼサイズ一定ながら、ややデカい物も存在する。
色味も同じ絵柄で濃淡のばらつきがあり、色味が変わっている物もある。分かりやすいのはロンメルザクの背景やペズンドワッジ。青寄りと紫寄りがある。
当時、和菓子の空き缶には隙間無く戦利品のメンコが詰まっていた。
近所の文具屋で売ってると友達に聞いて見に行ったが、興味の無いドラゴンボールZのセット版しかなくて、結局一度も自分で買うことは無かった。
そして、同じ学年の男女皆で遊んでいたメンコも程なくブームが過ぎ去っていく。
そんな子供の頃の思い出が詰まった角面子のあれこれでした。
※本ページの検証データは流用していただいて、研究等にご使用いただいてかまいません。
その際、仮説であることと出自をSD模型史のスキマとして、サイトトップのURLを記載していただければ幸いです。
仮説を否定する新説などや、初期ラインナップの解明など広がりをみせることを望みます。
また、箱の中身は適当に詰めた物なので当時のものとは違います。