2030年09月09日

空白のSD模型史1

以外にも1985年頃までの模型資料は多いものの、
1986〜1993年頃の資料は散漫としていて特にSDガンダムや
ワタルシリーズ以外の模型はほとんど収集者が居ないのか、
穴抜けが目立つ未開の地だったりします。

ここで紹介するものも、抜けがまだあると思います。
お気づきの点、間違いなどあればツイッター 
https://twitter.com/fenrirvier04 までご連絡を頂ければ幸いです。

※当サイトでの取り扱いはキャラものプラモに限ります。

【SDブーム前史:デフォルメプラモデルの登場 〜1988】

デフォルメ模型の歴史は以外と古く、1970年代後半にはロボダッチが。

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1982年 Dr.スランプアラレちゃん
1983年 チョロQダグラム
1984年 リアルロボットをデフォルメ化したロボチェンマン、
パロチェンマン、Qロボゴーグ
1985年 カワルドスーツ、アリイのプロレスシリーズ (※1995になっていたので修正)
1986年4月〜6月 ゲゲゲの鬼太郎 ようかいランドシリーズ

同時期にファミコンブームに乗っかったTVゲームプラモデルとして、
ニンテンドーキャラやコナミキャラがプラモ化されている。
他にもあそボットシリーズ(完成品・バンダイホビー事業部)などもある。

この頃、SDガンダムガシャポン戦士シリーズが始まる。

1987年 ビックリマンのプラモ、ビックリマンコレクションシリーズ
1987年 BB戦士No.01のガンダマン
いわゆる初期BB戦士といわれるガンダマンシリーズは、
まだ3等身でSDガンダム表記はない。

1988年はバンダイより、様々な2等身キットがリリースされている。
スパイラルゾーンのデフォルメ、スパゾン倶楽部が。

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4月 世界忍者戦ジライヤ たたかえ忍者くん
6月 霊幻道士 キョンシー2種

ビックリマンは、ビックリマンコレクションとは別にビックリチェンジシリーズが。

しかしこれらはBB戦士No.07νガンダム(詳しくは後述)と同期ながら、
80年代に良く見られるゼンマイ駆動や、ジライヤは単色キットなど、
まだプラモデルに手を出していない子供にとっては少し古い仕様。

キョンシーはパーツ数は少ないもののギミックやビス使用もあって
当時の子供にとっては組みづらい。


【第一次SDプラモブーム:SDプラモ桜花爛漫時代 1988〜1993】

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1988年の5月に発売されたBB戦士No.07 νガンダムより
見慣れた二等身へとなっている。
接着材不要はもちろん、色を塗らなくてもある程度カラフルに作れる
イロプラ、目や色を補うシールが付属するなど、
まさにニュースタンダードとなっている。
(ちなみに当時の物は、現在のものとはシールのPPコートの
厚さが違うのか、剥がれない)

玩具では同年、魔神英雄伝ワタルのプラクションシリーズが開始。
こちらもやはり塗装をせずともイロプラ、一部塗装済み、
シールなどでカラフルで接着材不要で組みやすい。

さらにバンダイ(トイ)からも元祖SDシリーズが。このサイトを見ている方にはもはや説明不要の存在。

これら新世代の組み立てるおもちゃとも言うべきBB戦士と元祖SDは瞬く間に種類を増やし、
まさにSDブームの幕開けとなっている。

かと思えば1989年、平成元年。模型業界では1980年代中期に起こったキャラプラモブームに
乗っかっていた各社も痛手を負ったからかバンダイや童友社以外はその波に乗ることはなかった。
(特例としてアオシマ:後述)



■童友社
獣神ライガー それいけゼンマイくんシリーズ
ゼンマイ式モデル。
フォーマットもSDブーム以前の仕様で、当時の子供には受けなかったのか割と今でも模型屋に眠っている。
価格も600円とかなり高い。

■バンダイ
ウルトラ怪獣ワイワイランドシリーズ
ホビー事業部より8種類リリース。
ガンダム10thモデルとしてリリースされたF.C.Mの部分塗装技術が
使われているという、さりげなくオーパーツ。
ホビー事業部から出たものの、元祖SDに近い仕様。

トイ方面では動物モチーフのデフォルメミリタリーのネンダーランドが。
3等身のゴム製フィギュアにプラ製の戦闘車両が付く。
posted by ふぇ at 06:47| 【空白のSD模型史】

2029年11月02日

BB戦士『おたよりくださーい!』の箱事変 前編

BB戦士。
それは、1980年代中期から続くSDガンダムの歴史においても珍しい、今現在も不定期ながらも再販が続く時代を超えた今でも、最も入手しやすいマストアイテムとなっている。

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箱の仕様違いの代表、ガンキャノンの目の瞳なし、各種限定版、非売品、7番以前、輝羅鋼を気にしなければとてもコレクターに優しいアイテムである。
長らく再販不可とされたムシャサイコも近年再販されている。

説明書の漫画も、輝羅鋼を除くキットの仕様もほぼ当時のまま。
当時と今のキットで大きく違うのは2017年再販版はシールの粘度が極端に弱い(青バンダイ版は粘着力復活)、もはや役割を諦めてしまった弱々しいスプリングのみである。

しかし、分かりやすく違いがあるものがある。
そう、1994年以前に発売されたキットの箱である。

これは大きく分けて、2つに分けることが出来る。
近年の再販でバンダイマークが青に。JANが変更されている。

さらに細かく分けると4期に分かれ、徐々に側面の写真スペースが減って注意書きになっている。
また、一部のキットの箱にあったPAT.Pという文字が黒塗りで潰されている。

とはいえコレクター的には赤青ロゴ以外は些細なこと。


だが、ここで1つ。我々が見逃していた、大きく仕様変更が起こっていたある真実について触れたい。

そう、BB戦士を組んだ者なら誰しもがいつも側にいるように感じていた
説明書にある『おたよりくださーい!』の吹き出しとキャラの顔である。

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【画像出典:BB戦士40ケンプファー】

知らない方に説明しておこう。
『おたよりくださーい!』とは、BB戦士のみならず
リアル系キットもある時期は載っていた、ご意見をバンダイまで送ってね。
という記述を子供に向けた記載である。

それはいつのまにか描かれていて、しかしいつの日か、そこにあったはずのあの軽快なかけ声は消えていた。

今回、コレクターの意識を大きく変えてしまう、ラプラスの箱ならぬ、おたよりくださーい!の箱を開示したいと思う。



まずは結論から述べよう。
我々が長年連れ添ったような感覚にあった、その存在が消えるのは意外と早い。
1995年の一斉再販で、ある番号帯まで説明書にあった『おたよりくださーい!』が全て消されている。

我々が近年まで目にしていたと感じていたそれは、古の在庫という遺産でしかなかったのだ。

では、いつその記述が現れ、どう波及し、いつ終焉を迎えたのか。
努力の末収集した、在庫シャードを使ってその歴史を辿ろう。

その前に伝えておきたいことがある。
冒頭で述べたとおり、BB戦士は今なお再販され続けている。
先に述べたとおり、おたよりくださーい!の記述があるものは1995年以前再販されたものに限る。

それが意味することは、再販が増えるごとに、相対的に1995年以前の物を入手する確立が減るということである。

WEBで購入する運ゲー要素は言わずもがな、店頭で探すのにも、ぱっと見ではそれがいつ再販された物あるいは初版なのかというのは、見分けが付きにくい。

特定方法が無い訳でもないが、さらに、中古では箱と説明書のバージョンがチグハグになってることもままある。

これは、その苦難を乗り越えた者の研究の結果である。

posted by ふぇ at 09:40| おたよりくださーい!の箱

2029年11月01日

BB戦士『おたよりくださーい!』の箱事変 後編

前編で触れた『おたよりくださーい!』の歴史を紐解いていこう。

それが現れたのは7番のνガンダム……ではなく、なんと23番のムシャZガンダムからである。
ちなみに、『どう楽しんでもいい! SDガンダムは自由なのだ。』というフレーズもここから始まり、いくつかのフレーズがある。そしてここは貴重な描き下ろしイラスト。
2000年代以降の再販ではここも注意書きに変わっていたりする。


23まではどうだったかというと、1〜6まではそもそも91年までにもう再販が終了しているので変更なし。
7番のνガンダムから12番のギラ・ドーガまでは見開き左上はいろプラの説明とパッケージイラストの一部が使用されている。

95年の再販からは注意書きに書き換わっている。
ついでにνとヤクトの箱の中敷きも、2004年の大規模再販では無くなっている。


13番のMK-U〜22番のSガンダムまでは、描き下ろしの顔ととともに、組み立ての注意が描かれている。


23〜28までは説明書内側の上に描き下ろしイラストのおたよりくださーい!が来ており、25のガンキャノンは目あり/なしいずれのパッケージも目無しキャノンがおたよりくださーい!といっている。

27のムシャνガンダムは、イラストが間に合わなかったのか、説明書の表紙画のトレスにウインクとなっている。

28のGアーマーでは、Gアーマーが喋っている。モビルスーツが喋るのでモビルアーマーが喋っても不思議ではない。

続く29のジョニーザクは、珍しくカラー面で、右下にビックリマーク無しの「おたよりくださーい」が記載されている。

37、40を除く以降は説明書の表紙画の顔そのままや、目だけウインクにした物が使われている。
人件費を考えると、それまでの説明書は1枚に相当なコストを掛けていたことが分かる。

37のNT−1では再びカラー面に、40のケンプファーもカラー面にきている。

その後は、どう楽しんでもいい! SDガンダムは、自由なのだ。の描き下ろしイラストとともに、
45の闇皇帝まで内側のページにカラーでおたよりくださーい! が載っている。

46の豪華大将軍では名に反して、モノクロになり、以降は66の副将軍までカラー。

 49のナイトサザビーは、グリフォンがしゃべっている。
いやお前が言うんかい!

どう楽しんでも〜は49が最後となっている。奇しくも日本経済は不景気まっただ中である。


そして再び、67の三代目大将軍でモノクロページになり、ここでも新星鳳凰が喋っている。

71のアルガスナイトZではアーガマ(馬)が喋っている。
ところで剣士なのにナイトとは。

その後96のF90まで続き、SD戦国伝のシリーズ節目となる97白龍からおたよりくださーいがなくなっている。
97からは光の三使者の臥竜頑駄無がプラモ制作のアドバイスをしてくれている。
99の赤龍では真の姿となっている。
その芸の細かさはなんなのか。

100の千生で再びおたよりくださーい! が復活し、101の衛府弓銃壱〜107の大光帝までは光の三使者のふたりと結晶鳳凰になっている。
なお、龍牙髄だけは真の姿になっていない。なぜなのか。

いよいよ潰えたとおもいきや、108の雷帝千生で復活。
しかし、通常ナンバーはここでおたよりくださーい!の歴史は幕を閉じることとなる。
1993年、1月のことである。

以降は本当に何も無くなり、再販版との差異も注意書きが増えた程度となっている。

こうして、1989年から続いたおたよりくださーい! は1995年の再販で全て消えることとなる。

ここからは、BB戦士通常ナンバー以外でもおたよりくださーい! があったことを記したい。
時は遡り、1989年。1/144の0080シリーズでもリアルのMSがおたよりをくださーい。と言っている。
ケンプはチェーンマインがハガキになっていたり、ハイゴッグはミサイルがポストになっていたりと芸が細かい。

同年発売のリアル系ムシャ、MS戦国伝にもおたよりまってまーす があり、各武者が使われている。

パトレイバーシリーズも文字だけでおたよりくださーい。的な記述がある模様。




限定版はどうだっただろうか。
黄金の英雄は元キットの説明書のほぼ流用なので残っている。

コミックボンボン限定品はなんと黄金武装にはない。

天下統一編版の二代目大将軍にはある。


また、1993年1月で終わりと述べたが、実は限定版では1993年12月発売の白鋼四代将軍の陣は元のキットと同じようにおたよりくださーい! が残っている。

そして、白鋼四大将軍セットの描き下ろしの大判コミックワールドの裏面には、文字だけで『おたよりくださーい。』とあるので、真のラストランはこことなる。

以上がおたよりくださーい! の真実である。
posted by ふぇ at 10:50| おたよりくださーい!の箱

2028年12月29日

SDガンダムのガレージキット史 その1

80年代後半から90年代前半までのSD模型史を語る上で外せないものがある。

今ではほとんどの人には馴染みの薄い、ガレージキットという存在である。

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ガレージキットって何? という方は余所でお調べいただくとして、80年代後半から90年代後半までブームになっていたようで、SDガンダムをはじめとしたデフォルメ物もそんな流れの中でかなりの種類がリリースされていた。

しかし、その少数量産が可能という特性故に、いつでたのか。本当にでたのか。
現物はおろか、情報収集すら難しい為、今まで避けてきた。
しかしこの度、模型雑誌などにより大部分を解明できたので記事にまとめたいと思う。


対象としたのは1993年頃までのオフィシャル品。
一般模型店販売、イベント及びB-CLUBショップ限定販売品など。
一部限定販売品は特約店でも購入出来た模様。
92年以降はやや抜けがある可能性あり。特に発売月が不明なものがちらほら。

ガンダムのデフォルメ系キットはDDC(デザイナーズ・ディフォルメ・コレクション)という
コトブキヤディレクションによる3等身シリーズから始まる。

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元は89年1月のワンフェス7thにて1500円で販売されていたキット(でふぉるめシリーズ)が元になっている。
(模型誌の写真ではリックディアスも確認。カトキ版ガンダムもあった様子。)


■表記はナンバリング/名前/発売年/発売月/価格(税抜き)■
限定は特筆がなければB-CLUBショップ直営店限定(一部特約店にも流通)

◆DDCシリーズ(3等身前後のモデル※キットによって差異あり)
・275/ドム 89/4/1900
・276/ZZガンダム 89/4/1900
・279/キュベレイ 89/4/1900
・286/マラサイ 89/4/1900
・不明/ザク改 89/4−5/1900
・293/Zガンダム 89/5.25/1900
・294/ズゴッグE 89/5.25/1900
・303/ジムコマンド 89/6/1900
・304/ハイゴッグ 89/6/1900
・限定/アレックス(ワンフェス200個限) 89/8/1500
・限定/アレックスチョバムアーマー(WF200個限) 89/8/1500
・限定/ケンプファー(WF・直営店200個限) 89/8/1500

0080以外の物はWF89冬で先行発売。
0080はOVAの展開に合わせて発売。

キュベレイなどは個性的な出来。
Zは近藤版デザイン。
ザク改はフリッツヘルムとコンパチ。
なんとアレックスは主役機にもかかわらずイベント限定という無茶苦茶な展開。

1990年発行のSDガンダム公式カタログUでその姿を確認出来る。

全体的に独特なフォルムで味わい深い。
ハイゴッグは今の目で見ても屈指の出来。

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0080限定版のメイン4種とガンダム系以外は模型店で今でも割と見かける。

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◆DDCシリーズ(2等身モデル。B-CLUBディレクション)
・335/ガンタンク 90/3/1900
・359/ガンダムMK-V 90/9/2500

DDCと名を冠しているのはブランドにするためやむなくそのままだった模様。
BB戦士の初期ナンバーと並べてちょうど良い具合のデフォルメ、サイズとなっている。
ガレージキットとしては非常に安価だが、BB戦士の豪華大将軍が1800円なので小学生には厳しい。

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MK-VはBB戦士を意識したパーツ分割、作りとなっており塗装すればBB戦士と見分けが付かなくなるほど。

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ガンタンクもキャタピラが1パーツで奥まった構造になっていることから塗装で地獄を見そうなこと以外は完璧。



◆ソフビ マスコットシリーズ
・325/天地大河 89/12/1000
・326/プラモ狂四朗 89/12/1000

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いずれも塗装済み完成品。両方とも特徴を捉えている。
サイズはBB戦士とならべてちょうど良いくらい。



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◆BB戦士用改造パーツ
・261/νガンダムHWS改造パーツ 89/2/1000
・278/Gコマンダー改造パーツ 89/4.25/1700
・不明/BB戦士用ヘッド 89/5下/500
・限定/アレックスガトリングパーツ 89/10/200
・327/フルアーマーガンダム改造パーツ 90/1/1400
・限定/ムシャポーズキメパーツ(WF先行発売) 90/4/1200
・限定/BB戦士オリジナル改造キット
(摩亜屈用ススムスペシャル/仁宇用ヒロシスペシャル守護神パーツ ※ガンダム野郎)
・377/古殺駆家老改パ 90/12/1350
・378/今殺駆家老改パ 90/12/1350
・379/新殺駆家老改パ 90/12/1350

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νHWSはオーソドックスな改造パーツで、ファンネルは展開状態のものを5個つなげていく。
折りたたまれていないので、画像の完成品では一部切りはなして再接続。

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フルアーマーガンダムの改パもオーソドックスで手足やアーマーパーツなどを取り付けるだけ。
一番難易度が低く、簡単に制作可能。

Gコマンダーはジオンの再興に登場するνガンダム用の大型オプションパーツ。
BB戦士サイズなのでちっこくてかわいい。
キット完成見本写真と商品内容がやや異なるおおらかな時代の産物。
完成写真では頭部が徹底的に改造されており、ランディングギアも再現されている。
もちろんキットには付属しない。

BB戦士用ヘッドパーツはνガンダム用。顔をかっこよくしたもの。

アレックスのガトリングパーツはBクラショップ限定ながら、BB戦士を改造した方が早いくらいのもの。
しかし200円と非常にお手頃。

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キメポーズは武者五人衆用。5体分の腕セット。
モノはプラモデルのキットの腕付け根を弄り、手首をパテで造形したもの。
BB戦士の改造で十分似たようなものができるが、当時ボンボンでも誌上通販があったようで
ものすごい人気だったとか。


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※キット提供 エプロンさん(https://twitter.com/apron_person

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武者用は腕を突き出した左腕と角度の付いた右手。

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精太用は握り手と角度の付いた腕。


駄舞留精太用はエプロンさんの記事にて。(http://hobby-midori-apron.com/midori-g/seisaku093.htm
摩亜屈、仁宇用はこちら。(http://hobby-midori-apron.com/midori-g/seisaku017.htm



BB戦士オリジナル改造キットはガンダム野郎でウイルス殺駆頭を退治したときのもの。
仁宇のものは麒麟の神器と似ている。摩亜屈用は天翔の神器より生っぽい。
コミックボンボン誌上でも通販受付をしていた。

家老は大まかに補えているが、そのまま取り付けただけでは一部デザインが違う(古殺駆家老の顔、新殺駆家老の前垂れ等)。

まずは3シリーズを紹介したが、
B-CLUBのSDガンダムガレージキットは次の記事からが本番。

posted by ふぇ at 14:36| 【空白のSD模型史】

2023年10月29日

アニッ子忍者城

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マクロスの食玩サイズプラモやスケモを出しているニチモから発売。1500円。
発売時期は不明。仕掛けの感じからして8時だよ全員集合を意識しているのだろうか。

アニッ子忍者城とあるが、忍者の砦・トレーニングセンターとキャッチが並んでいて、
いったいどれが正解なんだい! とツッコみたくなる商品。

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写真からそこはかとなく漂うヤバさがクセになる。
キャラ本体は、マクロスでもあったピタバンシリーズで単品売りされていたり、
城も各階層で忍者屋敷としてキャラ付きで売られていた。

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この忍者城はセット大箱扱い。

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キャラの中でもくノ一が特に昭和の場末の夜のお店感があってなんとも味わい深い。
サングラスを掛けたダンディーがブランデーと太タバコを手にしながらデザインを考えたのだろうか。

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説明書。キャラは謎に輪ゴムを付けるよう指示があるが、現存の物はおそらく輪ゴムは劣化して使えない。
使う必要も無いので、ピタバンシリーズの名残だろうか。
ネジでテンションを保つように出来ているが、個体によってはネジに対してネジ穴がガバガバで使えない。

武器のカチンコというのがまた昭和感があって大変よい。
キネという餅つき用具を武器にするのが一番恐ろしい。

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ランナーはフロア毎に別れており、それぞれに仕掛けが用意されている。
なぜ昔の人はプラモを飛ばしたがるのだろうか。

二階は発射台を含めて6カ所で上の階と繋いでいるのだが、発射台を動かすと劣化した脆いプラ棒4つで上の階を支えることになるため、補強必須。

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ランナーにカラーパターンがあったらしく、それぞれに合わせた塗りを提案してくれている。

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キャラもそれぞれカラーパターンがあった模様。それを“色分身の術"として表現するのはうまい。

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キットはプラ棒の組み合わせみたいなパーツが結構あり、キャラの手がC型になっているため、自由にぶら下げることが出来る。

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からくり階段は手で階段を挟みながら軸の調整が必要だったり、組み立て難度が高い。
各階の接続棒と穴のサイズは合ってないので、非常に不安定。

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キャラはプラ製の胴体とボンドのキャップみたいな素材の手、ゴム製の頭で構成されている。
刀を背負っているキャラもいるが、刀は抜けない。

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ネジ締め用の治具と軍団マークデカールなども付属。
軍団マークはなんともSFチック。

1つの商品につき検品に5人分のはんこがあり、昭和の人員の豊富さを物語っている。
接着剤のアドハチックというのはニチモでしか使われていない様子。

全体的にシュールさを漂わせる、昭和の臭いが濃く香る、一部のマニアを唸らせるアイテム。
補強をした上で組み立てれば時代感を感じられて楽しめそう。


posted by ふぇ at 21:11| 【SD模型ブーム前史の物】